数年前の事だった。
山形の兄からの電話があって
「相談なんだけど」と言うので
どうしたんだろうと一瞬思ったが
実家のお墓の事だった。

実家のお墓は千葉の松戸と言う所の
八柱霊園にある。
この八柱霊園は都の霊園だ。

私の父親が購入したらしいが
住んでいた場所からは
一番近いのが谷中霊園なのに
松戸の八柱霊園を購入したのは
多分、谷中や染井は募集がなくて買えなかったのだろう。

松戸の八柱霊園は
駅からバスに乗らないと行けない距離で
昔は割と遠かった。
（今なら車があれば便利だけど）

広大な墓地だが
(東京ドーム20個分だそうだ）
実家のお墓のある場所は
正面入り口から近い所だったから
やたらに歩く事はなかった。

公園墓地なので緑も多く
私や私の姉たちの家族みんなでお参りに行った時は
まるで、子供たちにはピクニック気分だったようだ。
お弁当を広げてみんなで食べて、
子供たちは広い墓地の探検とか
かくれんぼとか楽しげだった(笑)

話は逸れたが
兄は山形に住んでいる。
年に何度か兄夫婦はお墓までお参りに来ていたが
すでに兄夫婦も高齢。
なかなか行かれなくなるから
墓地を動かしたいと言う話だった。

その事はずっと私も気がかりだった。
長い間、お墓参りなど全く行ってないから・・・
でも、いくら兄妹でも
何だか口に出来なかった。

以前、兄の息子のお嫁さんが言ったそうだ。
「私が死んだら
私もあの松戸のお墓に入るんですか？」と。

良く言った！

何のきっかけでそういう話が出たのかは知らないが、
そう思うのは当然。
いい事を言ってくれたと感謝したい気持ちだ。
ずっと私が思っていた事だから。

実家の姓は兄、そして兄の息子家族が名乗るだけ。
兄の息子の子は二人とも女の子だから
大した姓でもないが
兄の息子の代で途絶えるという訳だ。
それでもいいと思う。

いつかそうやって消えていく姓は多いだろう。
生きてる時に故人に思いを馳せればいい事であって、
姓が消えようがお墓が消えようが
いつか人は無になるのだからいいと思う。

「墓じまいするの？私も気になっていたのよ」と言うと
「色々考えたんだけど、そうさせて貰いたい、
〇〇子（私）に相談しようかと思ったんだ」と言う。

私は、あまりそういう事に執着はない。
すでに故人になった両親は
亡くなって何十年も過ぎたのだから
もう立派な仏様になってると思ってる。

だからお墓がなくても私の心に居れば
いいのではないかと思う。
兄も兄の息子家族も山形なのだから
山形に新たに自分たちのお墓を作るなり
すればいいと思う。

墓じまいをして、
お骨はどこかに合祀してもらればいいし
兄の好きなようにして欲しい。
私に何か手伝えることがあれば
遠慮なく言ってくださいと伝えた。

それが数年前の話だが
未だに墓じまいはしていない。
墓じまいするにあたって
特に都の霊園では結構面倒くさい手続きがあるみたいだ。
（ネットで調べた）
たぶん都の霊園でもそれ相応のお金もかかるだろう。

兄たちはネットとは縁がないが
兄の息子や娘やお嫁さんなどは
多分、ネットで何でも調べられると思う。

兄はもう８８歳、義姉は残念ながら昨年亡くなった。
なので、お墓のことは気になっている。
いっそのこと、山形に新しくお墓を立てて
そこにお義姉さんを埋葬してもいいような気がする。

実家のお墓は、そのままにしておいてもいいのではないか？
両親も祖父母も怒ったりしないだろう。
むしろ、今まで遠いところから欠かさずに
お墓まいりをしてくれた事に感謝はしても・・・

しかし、兄の息子のお嫁さんの言った事は
いいきっかけになったのだろうな！
まだ、何も決まっていないけど。

考えてみれば、そうだと思う。
お嫁さんにすれば
見知らぬ土地の見知らぬ人たちが眠ってるお墓に
一緒には入りたくないだろう(笑)
いい提案だったと思う。

兄は兄で兄の家族の為に
自分たちの為に
山形の地でお墓を作るのが一番だと思う。

両親もその決断に
きっと賛成してくれると思う。

お参りにも行かない親不孝な娘だけど
忘れた訳ではないし
両親がいたから私がいるのであって
感謝しかないが
形としてのお墓はなくても
両親は確かにいたのだから。

｡･ ﾟ･｡* ｡ +ﾟ｡･.｡* ﾟ + ｡･ﾟ･｡･ ﾟ･｡* ｡ +ﾟ｡･.｡* ﾟ + ｡･ﾟ･

白玉ぜんざいが食べたくて作った。
ひたすら食欲の秋だな🤣